ジュリアン有生の「徒然なるページ」

2003年3月13日

第53回 占いとは・・・

 

「占い」とは、なんぞや?

最近ふとそう思うことがある。

父がよく生前に言っていた占い体験談がある。

父が、神戸三宮駅の高架下を通りかかり、赤信号に引っ掛かったため、立ち止まると、

「ご主人。観ましょう」と言う声が。

ふと振り向くと、路上に手相占い師がいた。何気に父はその占い師の前に手のひらを差しだした。

「あなたは、今から3ヶ月後に結婚しますよ」

よっちゃんと知り合いもしていなかった父は、そんな事あるものか、と思い

「この占い師はダメだな。占いってこんなもんなのか・・・」と思ったそうだ。

3ヶ月後、父はよっちゃんと電撃結婚した。(実は両親も電撃結婚なのだ!)

結婚した時はもう、その手相占い師の事は忘れていたそうだが、新婚生活を送る中でふと「そういえば、あの時、あの占い師に・・・」と思い出し、複雑な心境になったという。

後日、父は他の事を観て貰いたいと思い、神戸三宮の高架下へ行った。が、何度行っても、もうその手相占い師がそこにいる事に遭遇できなかったという。

そう、これが「占い」なのだ。

ジュリアンは、「当てる事」に拘っている。それは、自分は「占い師」だという認識の元、仕事をしているからだ。

昔、実はジュリアンも占いのお客として、よく色々な占い店へ行った事がある。いろんな占い師さんがいた。慰めてくれるのがとても上手な人もいた。が、しかし、次に占い師の所へ行って観て貰いたいと思ったとき、ジュリアンが選んだのは、慰めるのが上手な占い師の所ではなく、「当てた占い師」の所だった。

「的中率より幸せになるためのアドバイス」を唱う占い師さんもいるが、ジュリアンにはその事がよくわからない。鑑定結果がお客様にとって可愛そうな結果だった時、そうならないよう出来るだけのアドバイスをしてあげた方が良いだろう。

しかし、その鑑定結果が当たっていなかったとしたら、その結果に基づくアドバイスは何にもならないのではないか。鑑定結果が当たっていればこそ、それに基づくアドバイスも生きてくるのではないか。

だからジュリアンは、まず、「当てる事」に拘るのだ。

「当たらなくても良い、苦しく辛い気持ちを分かってもらえたように感じる事ができれば、その日は眠れるのだから・・・」

そう思っているお客様もいるだろう。

しかし、そういったお客様がいたとしても、「占い師」として仕事をしている以上、その鑑定結果が当たっても、はずれても、「当てる事」から逃げては占い師ではない。

話しを聞き、辛い気持ちを分かってあげたように接するのは、「カウンセラー」の看板を背負ってる人がする仕事だとジュリアンは思っている。

「占い師」である以上、まず「当てる事」に最優先の努力をし、その上で、お客様に御納得していただけるアドバイスが提供できるよう努めなければならないだろう。

人それぞれ、考え方や感性は違う。ジュリアンは、自分の「占い」に対する考え方を、他の占い師さんやお客様に強制しようとは思わない。が、しかし、「ジュリアン有生」は、「占い師」の本来のあるべき姿から逃げたくはないだけだ。

そして、実はこの「アドバイス」というものも、クセモノなのである。

なぜなら、アドバイスをして、鑑定結果が変わるなら、それは鑑定自体は当たっていないという事だから。アドバイスをしても、結局鑑定結果通りになった場合、「当たった」といえるのだ。

ではなぜ、こんな事を言っている「ジュリアン有生」が、鑑定の際、最悪の鑑定結果を前にお客様に「アドバイス」をするのか。それは、今日(こんにち)の占いには、まだまだ100%はないからだ。西洋占星術や四柱推命といった統計学的占いとタロットなどの魔術的占い、その他諸々、どんな鑑定方法を用いたとしても、どんなに的中率の高い鑑定士が占ったとしても、まだまだ100%はないのだ。

だからこそ、悪い結果が出たときは、そうならない可能性がある事を考慮して、現状を鑑み、良い結果になるようアドバイスをするワケだ。

「当てる事」は、大変だ。容易なことではない。当てる事をそこそこにし、「聞いてあげる人」「お友達の代わりにアドバイスしてあげる人」としてお客様に接すればどんなにかこの仕事を楽な仕事にすり替えられる事だろう。しかし、「当てる事」から逃げ、カウンセリングやアドバイスに傾倒してしまったら、その占い師はどんどん「当てる事」ができなくなってしまうだろう。

しかし、当たらなくても、「聞き上手」「なぐさめ上手」でやっていける占い師さんがいる事も事実だ。これは、お客様の「お好み」なのだから、それはそれでよかろう。

しかし、「占い」、それは本来、未来を当てる事だとジュリアンは思っている。

だから、ジュリアンは、これからも「当てる事」に挑戦し続けて行きたいと思っている。

 

 

 

 

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